お風呂の入り方とシャワーヘッド
アトピー者にとって水の浴びすぎは良くない。
塩素のダメージを受ける事と、皮脂が壊れるから。
風呂上がりのカサカサした感覚は皮脂が壊れて、弱い皮膚がむき出しと言える。
だから洗う時は石鹸は最小限にしてスポンジは柔らかい方が良い(僕は素手で洗っている、石鹸を使うのは週一程度)。
そんなアトピー者にとって、マイクロバブルのシャワーヘッドが2008年頃に流行した。
マイクロバブルと言われる髪の毛の太さサイズの泡がシャワーから出て汚れを取るというものだ。
汚れが取れる理由は、マイクロバブルがマイナスの電位を帯びている(対して汚れはプラス)事、そして小さな泡が毛穴まで入れる事から。
さらにマイクロバブルが良いのは水(泡)当たりが優しいという事だ。
アトピー者にとって皮脂が壊されず汚れと臭いが取れるのは良い。
僕はおそらく人より早くマイクロバブルのシャワーヘッドを手にした。
当時マイクロバブルの本を1冊まるまる読み込んだ僕は、粗悪品がある事を知っていた。
マイクロバブルは小さすぎて見えないので、マイクロバブルが出ていないにも拘わらずマイクロバブルシャワーヘッドとして販売されている商品があった。
僕が買った商品の開発会社は2000年頃からマイクロバブルの研究をしており、実験結果も堂々と公に発表している。もちろん特許も持っている。
疑問があって問い合わせを送るとすぐに返事をくれた。信頼できる会社だと思った。
買って使ってみての感想も納得できるものだった。
時は流れて2016年。
今の時代はナノバブルらしい。
マイクロより小さいナノバブル。
TVに出た会社もあるくらいだ。
そのおかげか今はアトピー者の中にナノバブルのシャワーヘッドに飛びつく人がいるらしい。
「ちょっと待った」
と言いたい。
理由は2つある。
1つ目は「マイクロバブルの目的」をしっかり考えてほしいという事。
目的は肌の汚れを取る事。だから汚れを取るだけの力(大きさ)が必要なのだ。
マイクロバブルにはその力(サイズ)がある。そして毛穴にも入れるサイズ。
ナノバブルはマイクロバブルの1000分の1サイズ。
余裕で毛穴にも入れるだろうが、汚れに対して小さい。力不足。
ナノバブルが得意な洗浄相手は精密部品などの超微細なゴミ。
マイクロバブル製品を開発する会社の中にはナノバブルの技術と特許も持っている会社もある。
だが彼らは「シャワーにはマイクロバブルが最適」という事を知っている為、ナノバブルのシャワーヘッドは開発していない。
2つ目は「発生要件」。
1リットルに10億個のナノバブルが発生します!と書いてあるのに、その為の条件が高かったらどうだろうか?
それはつまり泡が出ないという事だ。
「キャビテーション方式」という発生方式は水に溶け込んだ酸素(溶存酸素と呼ばれる)をナノバブル化する。
しかし、水に含まれる酸素量は温度によって変わる。温かい程少なくなる為、夏はちゃんと広告通りのナノバブルが出ているのか保証はない。
もう1つ。最低圧力要件と水量要件。水圧にして0.07MPaの圧力が必要なシャワーヘッドがあるが、国内の湯沸かし器の最低圧力は大体0.04MPaに設定されているようだ。これでちゃんとナノバブルが出るのか心配である。
下記のサイトで更に詳しく、ズバッと書かれている。
http://purebble.com/faq.html
マイクロバブルメーカーのサイトだが、その事を差し引いて読んでも充分な説得力のある内容だ。
マイクロバブル.コム
マイクロバブルのメーカーの言い分があるのだから、ナノバブルのシャワーヘッドを作ったメーカーにも言い分はあるだろう。
だから、NHKの「凄ワザ」にでも出て、マイクロバブルとナノバブルの洗浄対決でもすれば一番良いと思ったりする。